同じ料理の仕事を続けたいなら、無料で条件を相談してから考えてもいい。
01「調理経験あり」の五文字に収まらない仕事
同じ「調理スタッフ」でも、仕込みの量、同時に回す注文、発注の担当、洗い場の人数、新人指導の有無で一日はまるで違う。求人票にはたいてい数行しか書かれない。だから、自分が毎日何をしてきたかを、料理名ではなく仕事の動きで思い出してみたい。
大型のセルフサービスカフェで働いていた頃、私が強く意識していたのは周りの進み具合だった。レジが伸びているか、ドリンク場が詰まっているか、どこなら自分が動いても混乱を増やさないか。きれいに仕事を分担する仕組みがあっても、その日の注文によって詰まる場所は変わる。
もちろん厨房の専門技術と私の経験を同一視はできない。それでも、職種名の一行だけでは伝わらない仕事がある点は共通していると思う。転職時には「何の料理が作れるか」だけでなく、「どんな規模の店で、どの工程まで任されていたか」を整理すると伝わりやすい。
経験を盛る必要はない。仕込み、調理、発注、衛生管理、新人への説明、ピーク帯の段取りなど、実際に担当した作業を分けて書くだけでも、次の店への質問が具体的になる。

02月給の横に、帰宅時間を書いてみる
月給を見て、ちょっと心が動く。でも先に想像したいのは、帰り道の自分だ。固定残業代は含まれる? 何時に仕込みが始まる? 最終片付けまで誰が担当する? 休憩はピークの合間に実際に取れそう? 給与と時間は、切り離して考えられない。
月給が高くても拘束時間が長い求人と、給与は少し低くても休日が安定している求人は、どちらがよいか一概には言えない。体力や家族との時間、積みたい経験によって答えが変わる。比べるときは月給と休日を別のタブで眺めず、実際の一週間を想像する。
求人票には「週休2日」と書いてあっても、毎週2日なのか、月によって変わるのかを確認したい。希望休が通る仕組み、繁忙期の働き方、シフトが決まる時期。料理が好きで続けたい人ほど、働き続ける条件に目を向けることが大事になる。
待遇が魅力的でも、応募する前に自分が不安を感じる条件を一つ聞けるか。質問できないまま入ると、その疑問を働き始めた後で抱えることになる。
「任される仕事が増える」と「仕事の幅が広がる」は、似ているようで違う。
03「経験者歓迎」は何を任せたいという意味?
「経験者歓迎」。嬉しい言葉に見えるけれど、何の経験を欲しがっているのかは店によって違う。大量調理なのか、コースなのか、発注や原価管理までなのか。自分がやりたい料理と、店がすぐ任せたい仕事は重なっているだろうか。
経験を伝えるときは、働いた年数だけでなく、担当した工程と規模を書き出す。たとえば単独で担当できる作業、上長の確認が必要な作業、後輩に説明できる作業。そこを分けると、自分がどこまでできるか、どこを伸ばしたいかが見えてくる。
逆に、新しい店に行けば何でも経験できるとも限らない。分業の強い店では担当が固定されることがあり、幅広く学びたい人には物足りないかもしれない。小さな店では全工程を任されやすい一方で、負担が大きくなる可能性もある。どちらが正しいのではなく、今の自分に合うかの問題だ。
求人の仕事内容が抽象的なら、面接で「入社後、最初の3か月でどの業務を担当しますか」と聞いてみる。背伸びをせず、働く姿が想像できる答えを集める。
同じ料理の仕事を続けるなら、どこが違えば続けられそうか
「料理は好き。でも休みも給与も変えたい」。そんな話を、職場には言いづらい。飲食専門のitkは、今すぐ転職を決めていなくても相談できると案内している。求人紹介も相談も無料で、紹介された求人への応募は自分で決められる。
04便利な人のまま、終わらないために
困ったときに動ける人は現場で頼られる。でも、その働き方が評価や昇給につながるかは店による。私自身、忙しい時間を埋める立場になりながら、希望する勤務時間や待遇に結びつかないと感じた経験がある。
だから次の店を選ぶときは、採用条件だけでなく、入社してから何を身につけると評価されるのかを聞きたい。調理技術なのか、売上や原価管理なのか、スタッフ教育なのか。評価の対象が分かれば、頑張る方向も分かる。
「家族的で仲のよい職場」という言葉も、悪いわけではない。ただ、待遇や休日についての疑問が消えるわけではない。気持ちよく働ける空気と、労働条件が整理されていること。両方を別々に確かめると安心しやすい。

05自分で探す。人に聞く。どちらも使っていい
求人サイトで自分の条件を入力して探す方法は、候補を広く比較できるのがよいところだ。一方、求人票だけでは分からない担当業務や勤務の実情は、応募先へ直接確認しなければならないこともある。
転職先を探し始める前に、今の経験ならどんな厨房や働き方があるか聞くのも一つの方法。itkの転職支援は相談・求人紹介が無料で、今すぐ転職しない人の相談も受け付けている。
飲食専門の転職支援サービスに相談する方法もある。itkは飲食・外食業界の求人紹介を行い、担当者のサポートや面接対策などを公式サイトで案内している。利用料は公式に無料とされている。もちろん、希望条件に合う求人が必ずあるわけではない。
どんな職場を紹介してもらえるのか、希望する勤務エリア・業態に対応するかは、利用前に確認したい。
転職を決めていないなら、まず求人を見て比較するだけでもいい。登録が必要なサービスに進む前に、自分でできる棚卸しも十分価値がある。
次の店に聞いてみたいこと
- 仕込みの開始時間と終業時刻は?
- 調理以外に誰がどの仕事を担当する?
- 固定残業代と超過分はどう扱う?
- 希望する料理・調理工程を担当できる?
06できることを、作業の名前で書いておく
一枚のメモに、①今できる工程、②次に身につけたい業務、③譲れない勤務条件を書いておく。条件の優先順位がはっきりしていれば、紹介された求人を断る理由も伝えやすくなる。
給与については額面だけでなく、固定残業代や賞与の条件、通勤時間を含めて考える。休日は日数だけでなく、どの曜日を休みたいかまで具体化しておく。長く働きたいなら、自分の生活が崩れないかを見るのは当然のことだ。
経験を活かせると言われても、仕事内容が曖昧なら一つ聞いてみる。新しい店で何を期待されるかを知ることは、採用されるためだけではなく、働き始めてからの食い違いを減らすためにも役立つ。
相談だけで終わってもいい。その選択肢がある。
07良さそうな求人が出ても、すぐ決めなくていい
忙しい職場では、転職活動をする時間を取るだけでも大変だと思う。だから、今すぐ応募を増やすより、「今の職場で困っていること」を一行にまとめる方が先でもいい。
料理そのものが好きなら、業態を変える方法もある。責任者を目指す人もいれば、調理に集中したい人もいる。目標が違えば、選ぶ求人の見方も変わる。
「次に行くなら、ここだけは変えたい」。その条件が自分の中にできたら、求人検索でも専門家への相談でも、次に聞くべきことが具体的になる。今いる店を辞めるかどうかの結論は、その後でかまわない。
今までの経験を、次の厨房では何に使いたい?
次の厨房で何をしたいか、まだうまく言葉にならなくても大丈夫。勤務時間、休日、任される仕事の範囲を整理するために、飲食専門の無料転職相談を使う方法もある。itkは相談だけでも受け付けている。
